明徳二年(一三九一)創建
六三〇余年の歴史をもつ浄土真宗のお寺です
明徳2年(1391)創建
630余年の歴史をもつ浄土真宗のお寺です
今月の掲示板は、アナウンサーの古館伊知郎さんの言葉です。
世間的に「大人は人前で泣くものではない」という風潮があります。しかし、古館さんが言うように、人前で泣くことが決して弱いことではありません。実際に泣くことを我慢するより、泣いた方が様々な面でメリットは多いようです。その理由を①社会的、②感情的、③仏教的の3つの観点から見ていきたいと思います。
まず①社会的観点です。そもそも動物のなかで「泣く」のは人間だけだそうです。他の動物は「鳴く」ことはしますが、人間のように顔を歪めて涙を流し、その場にへたり込み体を震わせ、時には声をあげて「泣く」ことはしません。このような人間の「泣く」行為は、「他者からの共感や支えを引き出すための、社会的な信号の役目を果たすため」と指摘されています。
次に②感情的観点ですが、泣くことによってネガティブな感情やストレスが発散されて、精神的な落ち着きを生み出してくれるようです。現代のような評価が常につきまとう評価社会では、人はうかつに自分の失敗や悩みを他人に打ち明けることができません。それによって自分の評価が下がる危険性があるからです。ストレス社会となっている要因のひとつに、「泣くことができる場所」が不足しているからではないでしょうか。
そして③仏教的観点ですが、「人前で泣くものではない」という世間の常識は、言い換えれば自分が持っている「枠組み」です。
仏教では、無自覚にもっている枠組みを疑うことが大切であるとします。それは、自分の都合によって構築されている「こうあるべきだ」「こうでなければならない」という枠組みこそが、ストレスを生み出す原因になっていると仏教では説くからです。私たちは普段、そういった枠組みという鎖にがんじがらめになって生きているのではないでしょうか。
人前で泣けるということは、他人からどう思われているかより、自分の感情を出すことを優先しているということでもあるので、「枠組み」が柔軟な人であると言えそうです。
合掌
信行寺ホームページにようこそお参りくださいました。当寺ではお葬式やご法事、日々の月参りはもちろん、毎月の法話会もおこなっています。これまでお寺にご縁がなかった方でも歓迎です。些細なことでも構いませんので、何かお困りのことがあればお気軽にご連絡ください。
第30世住職 四夷 法顕
1985年生まれ
信行寺住職
龍谷大学非常勤講師
相愛大学非常勤講師
毎日文化センター講師
浄土真宗本願寺派宗学院研究員
本願寺派布教使
文学博士
住職の活動報告をfacebookに投稿しています。是非ご覧下さい。
阪神西宮駅より徒歩11分
JR西宮駅より徒歩13分
境内に7、8台駐車可能